『単色(たんしょく、ソリッド)』 ■単色は全身が一色の毛色です。 ■日本猫の単色は「黒と白」に限られ、赤にはトラの縞があるので「茶トラまたは赤トラ」と呼ばれるのが一般で、黒には、クロ、クマ、カラス猫などの呼び方があります。 ■黒を薄めた劣性色である灰(はい、ブルーまたはグレー)は、希少な毛色ですが、日本人の好みの気質に適さなかったようです。(諸外国では一般にブルーとして知られ、希少な毛色として、ロシアンブルー、シャルシリュー、コラットのようにオリジナルの血統猫になっています) ■白猫は西洋で貴婦人に例えられますが、黒猫は魔女の使いとして、黒猫を見ると不幸になると迷信があります。 ■日本では反対に、猫が目の前を走って横切ると良いことがあるとか、不幸や事故から身を守ってくれると言われ、中でも、黒猫は吉猫とされています。もっとも、白猫の金目銀目は飼い主に幸運をもたらすとか、三毛猫のオスは船主の守り神とか、日本人は基本的に猫好きなのです。 ■宮澤賢治の「猫の事務所」は、いばった事務局長は黒猫で、一番書記は白猫、二番書記は虎猫、三番書記は三毛猫、主人公らしき四番書記はかま猫と言って、かまどで寝るからすすけていたとか、読めば読むほど猫らしいばかばかしい楽しさにあふれています。 1,白(しろ、ホワイト) ■全身が純白、白雪をイメージさせる白で、どこにも混ざり毛はありません。 ■子猫の時に頭の上に黒い色(まれに赤)がある場合がありますが、これは先祖の色(ゴーストマーク)と言われ、やがて成猫になると消えます。 ■白は金目が一般的ですが、銀目、そして左右の目色が異なる金目銀目も知られています。 また、白の毛色の遺伝子は、他の毛色の遺伝子より上位にあるので、オス・メスのどちらかが白の場合は、相手の毛色に拘わらず、全ての子猫が白になる場合と、子猫の半分が白になる場合との二通りがあります。また、オス・メスの両 親が白でも、1/4の確率で子猫に黒や赤、縞などが生まれる組み合わせもあります。
2,黒(くろ、ブラック) ■■黒は漆黒(しっこく)と言われるように、全身が真っ黒で漆塗り(うるしぬり)の光沢を見せ、差し毛、ゴーストマーク(薄い縞)の入らないものを理想とします。また、烏猫、烏の濡れ羽色(からすのぬればいろ)とも表現され、磨けば磨くほどつややかになります。
注目:赤の毛色には基本的に縞があり、特に改良されなかった日本猫の赤にはトラの模様が強いので、ここでは縞に分類しています。 |