「毛色の誕生」



  狩猟の場(エジプト・メンナの墓のフレスコ画)
* 最古の猫の再現で、猫が狩猟することを描いています。


ネズミ、猫、鳥の図(猫の部分を拡大)
猫の毛色の遺伝について簡略して説明しますと、 

■200年以上も前のヨーロッパでは、トラ猫は野生猫または野生との混血猫であり、雲形のクラシックの縞がイエ猫であると考えられた時期もありました。


猫の毛色の原点は、先祖のヤマ猫に見られるアグーチ(A遺伝子・野ウサギの毛色、キジトラ)から変異したものです。「そして、キジトラは黒のB遺伝子と縞のT遺伝子を持つ毛色です。」 


アグーチは哺乳類の基本的な毛色です。
猫の毛色の基本色は『黒』と『赤』の2色で、突然変異で生れた優性白色の『白』があります。 
黒と白の二色の猫は、見た目には2つの毛色の組み合わせに見えますが、白の部分はS遺伝子(スポット遺伝子、白斑・バイカラーを作る)が作用して生れたのです。(この白は、主に体の下側、四肢や腹部、顔の下側に見られます)」

重要なことは、黒と白の二色は、「黒の遺伝子」と「白の遺伝子」が一対になった色では無いということです。
重要なことは、黒と白の二色は、「黒の遺伝子」と「白の遺伝子」が一対になった色では無いということです。
「縞模様も同じで、見た目には薄い色の上に濃い色の縞が描かれるので、2色に見えますが、本当は1つの毛色なのです。縞のパターンは縞模様を作るT遺伝子が作用しています。」(日本猫のほとんどはトラの縞ですが、アメリカンショートヘアーなど血統猫では派手なクラシックタビ―パターン(雲型)が多く見られます)(一本一本の毛の色を変化させるA遺伝子・アグーチとT遺伝子が一緒に働いて縞模様を作ります。)
全身白(W遺伝子による)は色の変化をせずに、白(W遺伝子)として独立した遺伝(他の全ての毛色より優性)をします。W遺伝子が1つでも遺伝されると全ての毛色は白になります。

すなわち、白毛は二色や三毛(S遺伝子により白斑ができる)とは無関係なのです。

この理由から白猫と黒猫を交配しても黒白の二色が生まれるとは限らないないのです。

■反対に、白猫同士を交配しても、白猫だけが生まれるとは限らないのです。