『トラ』(トラ、サバ、縞・しま、タビー) ■トラの毛色に属するのは、赤トラ(またはアカ、茶トラ)、サバトラ(またはサバ)、キジトラ(またはキジ)があって、雲型(クラシックタビ―)は、めったに出てこない模様です。 ■トラの縞がポツンポツンと切れている場合は、一般に豹(ヒョウ)と言われます。トラの毛色の猫には、アイラインがあるので、目が印象的です。 ■トラの特徴として、濃い縞の部分の毛は、1本1本の毛が、根元は薄い色で途中から濃い色になっています。また、根元から毛先まで、いくつかの濃淡になっている場合もあります。そして、色の薄い集まりが地色になり、色の濃い集まりがトラの模様になります。さらに、くわしく見ていると、トラの模様は人の指紋と同じで、1匹1匹、全てが異なっているのです。 ■また、日本猫を含め、イエ猫のルーツはリビアヤマネコ、またはその亜種なので、全ての猫の毛色は、いろいろなトラ縞(主にキジトラ)から発生しています。
5,キジトラ(ブラウン・マッカレルタビー) ■雉虎(きじとら)の呼び方には、他に雉(きじ)、雉毛(きじげ)、蓬(よもぎ)などがあります。色合いは地色(灰色がかった茶褐色、またはくすんだ銅色)の中に、黒または濃い茶褐色の縞があります。 ■血統猫のブラウンタビーの毛色を連想しますが、日本猫の縞は、それほど鮮明でないのが特徴で、チリチリしたイメージです。キジトラとサバトラの色の関係は明確にされていませんが、ここでは茶系をキジトラ、黒系をサバトラに分けています。 6,サバトラ(マッカレルタビー) ■鯖虎(さばとら)の色調は、地色は銀色がかった灰色(くすんだ霜降り状)の中に、黒(真っ黒ではなく、くすんだ黒、薄れた黒が多い)の縞模様が見られます。日本猫のサバトラは、地色と縞のコントラストが鮮やかでない場合が多いようです。 ■また、サバトラを毛色ではなく、縞模様とする場合もありますが、ここでは1つの毛色としています。キジトラとサバトラは、混ざっていることが多いので、中間の色が出やすいようです。
7,雲型(くもがた、クラシックタビー) ■雲型は模様を示して、毛色はそれぞれのトラと同じです。模様はアメリカン・ショートヘアのクラシックタビ―と言えば分かりやすく、背中に沿って2〜3本の縞があり、脇腹に渦巻き状の縞があります。 ■日本猫にはめったに見られなかった模様ですが、いつの頃から雲型と言う呼び方が現れたのか、それもはっきりしませんし、日本猫の場合は稀に生ても改良されることがなく、遺伝的にもトラより弱いので、いつの間にか消えていったのでしょう。(存在した毛色は、乱れた模様が大半で、腹部が白い場合が多いようです) 「1975年に日本猫について調査したとき、日本猫の好きな友人宅に、背中と脇腹が十文字の猫が生まれたと聞いて見に行きましたが、雲型の崩れた模様で、下腹部は白でした。それ以来、個人的には雲型(崩れていたとは思います)の存在を信じています。」(KT)
8,豹(ひょう、スポットタビー) ■ヒョウは、トラの縞が点々に切れて斑点(はんてん)に見えます。 ■野生猫のイメージから、縞模様の「トラ」に対して、斑点柄の「ヒョウ」と言われますが、日本猫の斑点は、くっついていたり長かったりしている場合が多いのです。 また、白の中にヒョウ模様のパッチがある場合は、ヒョウの二毛と呼びます。 |