Q,
猫について書かれた単行本や月刊誌の内容は信頼できますか?
|
:ボク自身が月刊誌Catsの連載、何冊かの猫に関した単行本を執筆しておりますが、ご理解いただきたいのは、出版物には対象とする購読層によって、書く内容が少し変わってきます。
大抵が、猫を飼うことの初心者向けになっていますので、原則的に難しいことは書きません。さらに、原稿枚数も制限されますので書きたいことを書くのは難しいのです。
また、交配や出産、エサ、何にしても一般的な標準を記載します。
例えば発情や出産に関して、過去に生後6ヶ月で父猫になった例や、18才で子猫を生んだ例もあるように、個々の猫にとっては当てはまらないことが多いのです。
発情について、これを原稿にすると
「一般的にオス猫は生後8ヶ月を過ぎると交配能力を持ち、発情(シーズン)したメス猫がいると交配をします。また、比較すると短毛猫は長毛猫よりも早熟のようです。
メス猫の発情は、1才前後ですが、個々の成熟度によって遅い早いがあります。
また、メス猫の発情は飼い主よりも同居するオス猫の方が早く察知しますので、オスとメスを同居させる場合は注意が必要です。」
すなわち、猫についての記載は、目安になるものだと言うことです。
「本の内容が間違っている、当てにならない」と記載すると注目を集めるようですが、では、全ての猫に当てはまる発情など有るはずも無く、執筆者の悩みでもあります。
1)
猫はいつごろから人に飼われるようになったの? |
(イエ猫の発祥)はこちら 7000年以上前の〜〜
目次へ
(日本猫の由来)はこちら 宇多天皇の以前にも〜〜
目次へ
人と猫の年齢比較は、猫の平均寿命12〜16才、人間が70歳〜80歳、
猫が生後8ヶ月になると、人間では18歳、猫1才で人間は20歳、
それから後は猫が1年歳を経ると、4をかけるのが簡単な目安になります。
すなわち10歳の猫は 20+(9X4)=56歳
15歳の猫は 20+(14X4)=76歳
20歳の猫は 20+(19X4)=96歳
目次へ
猫科動物の大半は半夜行性で、日がかげる頃から暗くなるまで、涼しくなったり、小動物や小鳥たちの動きが少なくなる頃に、エサ捕りなどの行動が活発になります。
遊びはエサ捕りなどの学習なので、やはり夕方頃から活発になります。
目次へ
よく寝る子から寝子(ねこ)との一説もあるくらい、エサを探して食べて遊んで、その他にはすることも無いのですから、一日の2/3は寝ているようです。10歳を越えると3/4、うらやましい限りです。
でも、猫は寝ているときでも神経を働かせているので熟睡することは少ないようです
目次へ
猫の爪は、その先は針のように尖り、内側に曲がってえぐれています。獲物を捕らえるとき、木に上るとき、敵からの攻撃を防ぐとき、いろいろ役に立ちます。
爪はどんどん伸びますし、時には抜けることもあります。外にいる猫には鋭い爪が必要ですが、家の中では爪切りが大切です。
自然の中では木の幹などでつめとぎをして長くなりすぎるのを調整します。しかし、家庭の中などでは、柔らかい物が多く、放っておくと、ひどい場合は爪が伸びすぎて肉球に食い込むこともあります。
目次へ
猫は特別な悲しい仕草を見せませんが、お出かけのときに鳴いたとか、物陰に隠れてすねたとか、飼い主が「悲しいのね」と思い込むことが多いようです。
目次へ
そうですね。うれしいときの愛情表現はゴロゴロします。猫が緊張しているときは決してゴロゴロしません。
でも、寿命が尽きる直前の苦しいときでも、飼い主の膝に抱かれてゴロゴロするのは、「信頼と安心の表現」として、リラックスしているのですね。
目次へ
9)
猫がおねだりするときは、どんな仕種をするの?
|
猫によっていろいろな表現をしますが、我が家の小春は、遊んで欲しいときはおもちゃをくわえて持ってきます。でも、8才を越えた頃から忘れてしまったようです。
捕まえたゴキブリを仮死状態にして飼い主のことろに運ぶのは、遊びと言うより本能的な習性ですね。
お腹のすいたときは、足元に擦り寄って8の字に歩いたり、かかとに絡まったり、寝ていると胸に乗って口元を舐めるか、口元を叩くので、いつでもおねだりを聞かされてしまいます。
目次へ
猫は嫌なことをされたり、その気配を感じると、簡単な仕草としては「君子危うきに近寄らず」とばかりに、さっさと逃げ出すことです。
目次へ
猫も人も同じで、好きな匂いにもそれぞれが異なります。
一般的に、猫は子猫時代に食べていたエサが魚系だと魚の匂いが好きで、鶏だと鶏の匂いが好きです。
猫は自分に好きな匂いには敏感に反応しますが、興味が無い匂いには反応しません。
ハーブ系では、マタタビのつる、キューイのつる、ハッカ系、それに、飼い主の淡いオーデコロンや髪の毛の匂いが好きですね。
目次へ
一般的にミカンなどの柑橘類の匂いが嫌いで、中にはヒステリックになる猫もいるので、柑橘系の消臭剤や洗剤は注意してください。
エサなども、やはり匂いで判断するようですが、魚系と肉系に分かれますが、これも子猫からの食べなれた匂いに反応するようで、嫌いなものは前足で砂掛けの動作をします。
目次へ
猫は色の判定が難しいといわれていますが、おもちゃを選ばせるときなど、それぞれの猫が色に対してのこだわりを持っていると感じることがあります。
(ただし、それが色による判定とは決められません)我が家の人気は黄色です。
目次へ
猫の行動半径は500m以内といわれます。しかし、よほど広大な土地でなければ、このデータ―には疑問です。街中では半径50m,せいぜい遠くても200m程度でしょう。
外猫たちの行動範囲を見ていると、良く動く猫でも、せいぜい半径100m程度を回遊しているようです。
室内飼いの猫が家出をすると、まずは、車が頻繁に走る大きな通などは、それを無理してわたることは少ないです。でも、そこで在住のノラ猫と喧嘩がおこったり、犬に追われたりすると、逃げ出してその半径は広がります。
目次へ
温かくて気分が良いからです。
でも、猫に日光浴が必要だと考えるのは間違いです。
自由に日光浴をしている場合は良いのですが、小さな小屋などに入れてベランダなどで日光浴をさせるのは、弊害のほうが多いようです。
目次へ
うれしいから・・・、 おねだりをしている・・・、 単純に癖になっている・・・、いずれにしても猫自身が安心しきっている時で、愛情のコミュニケーションですね。
最初のモミモミは、赤ちゃん猫がオッパイを吸うときから始まりますね。
目次へ
猫はいつでも寝ているためか眠りが浅いようで、夢を見ているのは仕草などて分かります。まだ、若い猫などは母猫のオッパイを吸っている夢を見て口をすぼめてチュプチュプとすっています。
「夢見る小春」
目次へ
猫は本能的に自分自身が安らげる場所を選びます。その第一の基準は安全な場所です。
このため、高いところと言っても危険なほど高いところが好きなのではありません。周りから干渉されない自由な場所、危険の無い場所として高い場所が選ばれます。
狭い部屋でも飼い主と一緒なら大喜び、部屋の中などでは、なぜか高い場所に上がるのが大好きですから、物を落さないように整理整頓をしてください。
外猫たちの行動では、いくらでも広い場所があるので必ずしも高い場所が好きだとはいえません。犬に追われたりして何かの危険を感じると高い場所に避難します。
また、夏場などの暑い日には、日陰になった風通しのよい高い場所にいることもあります。
目次へ
猫が好きなのは、危険の無い動き、微妙で不規則な動きが好きです。
どんなに小さな物でも不思議な動きをすると猫は注目します。
素早い反射神経でそれを捕らえようとするのは本能で、ハエでも何でも食べちゃうのです。
目次へ
猫は人の足音に限らず、猫は自分に必要な音は非常に小さな音でも敏感に聞き分けます。
外猫の場合は、ジョギング コースではいろいろな人が走っていますが、エサをくれる人の足音は20〜30m先でも聞き分けて姿をあらわします。
反対に、犬の足音などは、気配も感じるのかも知れませんが、かなり遠くからでも警戒します。
マンションのエレベーターが止まって、誰かが下りてきたら、飼い主だったりしたらも部屋のドアを開ける前に尾で迎えします。それは、お腹がすいているのか、遊んで欲しいのですね。
目次へ
はっきり区別がついていますが、自分の都合で見分けるところが有ります。この人は自分にとってどんな人かということが分かるのです。
自分にエサをくれる人、遊んでくれる人、猫の好きな人、嫌いな人、危険な人、いろいろ見分けて覚えていますね。
目次へ
猫が目覚まし代わりにモーニングコールをしたり、飼い主の帰宅を玄関で迎えたり、それらの行動は、時間が分かるというよりも、猫自身の1日の生活の流れに沿ったもので、いわゆる「猫の腹時計」のようです。
目次へ
イエ猫のルーツはブッシュなどに生息するリビアヤマネコ、もしくは、その亜流のヤマネコであろうと伝えられています。これらの猫たちは水の少ない土地に育ち、それに適応できるようになっています。
大抵の猫たちは体が濡れるのを嫌いますが、中にはお風呂に入るのが大好きな猫がいたり、アビシニアンなどは、水の流れる蛇口で遊ぶのが大好きです。
ただし、水泳が好きだと書かれるターキッシュ バンにしても、シャンプーなどで全身が濡れるのは嫌います。
目次へ
いろいろな鳴き方をするのですから、それが何かを伝えていることは確かですね。
それぞれの猫によって違った声を出すので、猫と飼い主の間では、結果的に、一匹一匹の鳴き方で、なんとはなしに飼い主が勝手に理解しているようです。
ただ、猫と猫が声を出して意思を伝えるのは、シーズン(発情)の時ですね。
目次へ
ちょっと距離が伸びると断然犬が早いのですが、瞬発力では猫です。
犬は競争することを喜ぶでしょうが、猫は無駄な競争はしないで隙間に潜り込んだり高いところにジャンプするから、競争にはならないですね。
目次へ
これは野生の血の本能によるもので、自分の存在を隠すためで、下痢など体調不良なども隠そうとします。(単純に自分を隠すためなら、わざわざ存在を示すマーキングなどの行為と相反していますね)
また、糞を隠すのに前足で砂掛けすることから「猫糞・ネコババ」と言って、例えば、拾ったものでも隠して知らん顔をするような悪いことわざに使われています。
目次へ
猫の世界は一夫多妻で、より強いオスが多くのメスを従えて子孫を残すのです。
成熟したオス猫は何が何でも自分が一番強いと思っているし、無駄な争いをしないためにも、自分の行動範囲(テリトリー)を誇示する必要があるのです。
目次へ
猫も相性がハッキリしていますね。反対に母子に情は案外早くに他人のようになったり、一匹子だったりすると何歳になっても母猫に甘えたりします。
他人同士の猫は出会いが大切で、最初から喧嘩になってしまうと仲直りも時間がかかります。他の猫同士を一緒にするときは、新しい新入りの猫をケージに入れて、お互いが怒らなくなってから徐々に一緒にします。
でも、猫は気まぐれで、仲が良いと思っていたら喧嘩したり、仲が悪いと思っていたら仲良くしたり、猫的人間と一緒のようです。
目次へ
人間にしても、猫にしても、ストレスはあるのでしょうが゜、これがストレスだと感じる人と何がストレスか気がつかない人がいるように、猫はどちらかと言うとストレスを意識することは無いし、我慢もしません。ストレスになる前に何らかの意思表示をしますね。
室内の一匹飼いだと遊び相手がいなくてストレスになる、と考える飼い主も多いのですが、猫にとっては、一日1人ぽっちは極楽のようなものでしょう。
猫は色々なものに敏感に反応しますが、全てのものに案外簡単になじんでいます。
例えば、ガードしたの喧騒な音でも、直ぐに慣れてくれるのです。
目次へ
30)
オスの成猫が子猫の首をくわえて交配のポーズをしますが、
猫はメスもオスも、成猫も子猫も区別できないのですか?
|
子猫同士の遊びの中で早い子猫は生後4ヶ月も過ぎると、首筋をくわえて交配のポーズをしたりすることがあります。これは「子猫の学習」ですね。
この行為は予行練習のようなものですから、相手がオスだろうと関係ありません。
また、実際に交配するときは親兄弟の近親には関係なく、オスとメスの本能が最優先で交配してしまいます。
去勢するのは、生後4ヶ月になっているとOKで、性格もいつまでも子供のままで、また、スプレー(かけション)の問題も少なくなり、とても買いやすくなります。
目次へ
それぞれの猫に個性があります。
猫の性格について質問されることが多いのですが、これは日本人は、アメリカ人は、イギリス人は、と国別に気質を述べるのと同じで、一人一人については個性が優先するようです。
大きく分類すると、日本猫や混血猫、血統猫も含めて、家庭で飼われるイエ猫の全体としては、他の動物や野生猫と比べてみると、簡単に抱くことができるように、人になつくし、トイレの排泄も決められたところでしてくれます。これはイエ猫としての本能とか習性によるものです。 これがノラ猫になると、生後2カ月目には人を警戒して、大半の猫が人から逃げるようになります。猫が完全に野性味を失わないと言われる理由でしょう。
それぞれの性格(個性)としては、血統猫には、それぞれの品種によって、ある程度の性格の特徴があります。また、猫自身によっても甘ったれとか、怒りんぼうとか、臆病とか、かなりの変化があります。
その猫種として、人気を得るか、マニアだけのものになるかは、猫種としての性格の完成度が決め手になることが多いようです。
例えば、キャットショーで審査するときも、何種類かの猫種に対しては、初めから用心していたほうが無難ですし、また、子猫から成猫に変化する頃(平均的には生後7カ月を過ぎた頃から)になると、猫種によって、いきなり怒りだす場合も多いのです。そのきっかけが猫同士であったり、審査員だったりしますが、いずれにしても、怒りだす猫は、遅かれ早かれ怒るようです。(ただ、一般的に怒る猫でも、飼い主には優しい場合が大半です)
さらに、同じ猫種の中でも、性格にはかなりの差があるもので、これらの個々の性格の大部分は両親を受け継ぎますから、性格のおとなしい猫種を求める人、初心者の方にはキャットショーの見学をお勧めします。
■猫の性格の遺伝
目次へ
ネズミを退治することからねこが人間社会に近づき、いつの世もねずみ退治で重宝されました貸せ、近年になるに連れて、猫は人間のハートナーアニマルとして、精神面でのつながりが深まりました、
理由は簡単で、都会の一般家庭からネズミが消えたから、さらに、猫はネズミを捕らなくてもえさを確保できるからです。
最近は都会の繁華街からノラ猫が消えた代わりに、大きなドブネズミが異常発生の兆しを見せているようです。どんな路地でも適当な数のノラ猫は大切なのですよ。
でも、最近、大阪の繁華街のアーケード通で、一匹のサバ虎のがっちりしたオス猫が路地から姿をあらわし、丹念に細い下水溝を覗いて、結構大きなネズミを見つけて、別の路地に追いかけたのを見ました。あれは必ず捕まえたと思います。
目次へ
33)
犬よりも猫のほうが車の事故に遭うことが多いのはなぜ?
|
単純に考えれば、犬よりもノラ猫の数が圧倒的に多いからです。
不幸な猫が増えないように、やはり猫は室内で飼って欲しいですね。
目次へ
します。臭いですよ。猫は知らん顔をしているから側にいる人が疑られますね。
目次へ
イエネコのルーツの野生のヤマネコ(リビアヤマネコとその仲間)が、暖かい地域の北アフリカや東南アジアに分布していたからです。
猫と比べると犬の祖先の狼は北から南まで幅広く分布していたので、その品種によって 寒い場所や暖かい場所に適応するようです。
目次へ
36)
なぜ猫は高いところからでも上手に飛び降りられるの?
|
猫や犬の元々の祖先は「木登り上手なミアキス」という小型の動物で、猫は習性を強く受け継いでいるので、小型の猫科動物は木登りが上手で、これは自在に出し入れができる爪が役に立ちます。
猫をよく観察すると、とても用心深く慎重なので、無理に高いところから飛び降りようとはしません。ただし、チョウチョや小鳥に気をとられると、我を忘れて高いところから落下することが有ります。
そして、猫は平均バランスをつかさどる三半器官が優れた働きをして、骨格の仕組みや 強い筋肉が柔軟に着地の姿勢を可能にします。
目次へ
37)
庭においていた背の高い植木鉢がまいにちたおされていました。
近所ののら猫が犯人だとわかりましたが、なぜこんなことを繰り返すのでしょう?
|
その野良猫にとっては植木鉢が自分のカテゴリーを示す目印だったのです。倒れたままだと別のところにマーキングしたのでしょうが、同じように起こされていれば、猫にはなんら問題ではなかったのでしょう。
目次へ