第8章 猫の健康、病気と飼い主の家庭看護
お断り(ここに記載されたことは、獣医学的な立場とは異なり、ブリーダー、飼育者としての家庭看護に関して、日常の注意点です)
太った猫でも小さい体型か大きいかで体重は異なります。
日本猫でいうと、メスは2.7kg〜4kg、オスは3kg〜4.8kgが目安です。
背中の上から見たとき、
肩幅と腰の巾を結んで、腹部のラインが凹んでいれば痩せているし、凸っていれば太っていますが、その度合いで、全体のバランスを見て、太りすぎかどうかは判断します。
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予防ワクチンはとても大切です。
ワクチンが絶対に安全なものとは言いませんが、病気の予防ではワクチンをしないことのほうが危険です。
新生児は母乳(病気に対しての抗体を含んでいる)から免疫を得ることができ、生まれて直ぐに飲む初乳には特に多くの抗体が含まれているようです。また、離乳を始めたときから免疫が低下しますから、抗体を増やして免疫を高めるためにワクチンをします。
(一般的には生後50日前後で1回目、4週間後に2回目のワクチンをします。それから4週間置きに計3回行ないます。)
子猫が風邪や下痢の時はダメで、原虫や寄生虫などがいる場合も、それを駆除してからでないと問題があるようです。
ワクチン接種が2回終了した子猫は、ワクチンに関した病気には大きな安全が約束されています。2回目のワクチン接種の終わらない赤ちゃん猫をトレードしたり、売買するのは止めたいものですね。
自分の家で生まれた子猫だと何らかの異常があっても日頃の様子からすぐに気がつくのですが、ワクチンの接種前に他の家にトレードされた子猫が新しい飼い主の下でワクチンした時にはストレスもあり、気がつくのが遅れたりして、取り返しのつかないこともあるようです。
ワクチンを接種したために病気を発症したと言うケースでは、もともとが病原菌を保有していたため、ワクチン接種が引き金になったと考えられます。
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第一の健康チェックは、抱っこしてみること、遊んであげることです。
猫に直接触れることにより、体温や被毛の状態、精神的な様子、いろいろなことが伝わってきます。
遊んでいるときに何かちょっとでも異常を感じたら、何でもないと思わずに細部をチェックした下さい。
※体温が熱いと感じた場合は耳を触って確認する。
※クシャミ、涙目、メヤニ、鼻汁がないかどうか
※食事の食べ方や食べる量は
※便の状態やおしっこの回数と色とか状態(下痢など)
※動作に特別な変化は無いか、
※体型の変化(肥る、痩せる、など)がないか(時々は計測を)
※毛艶は?(ハゲたり、毛がもつれていたり)
※体のを神経質になめたり、一部分を掻いたりしていないか
※耳の中が黒く汚れていないか
健康日記をつけておくと、元気なときと不調の時の変化が分かりやすくなります。
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伝染病のようにウイルスによる病気は、猫と人ではウイルスが異なるので、猫から人、人から猫へ移ることはありません。
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5,
人が風邪を引くと猫も風邪を風邪を引きましたが?
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風邪のウイルスは人と猫では異なるので、お互いに移ることはありませんが、風邪などは、同じ部屋に住んでいる場合など、人も猫も風邪をひきやすい状況、環境になるので、同時に風邪を引くことが多くなります。
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Q,
治らないと診断された伝染病は、どうすれば良いのでしょうか?
(家庭看護と安楽死の問題など)
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大切なことは、その病気が本当に不治の伝染病かと言うことです。獣医さんの中には充分な検査もしないのに大病を口にすることもあります。
充分な血液検査などで不幸にも不治の病と結論されたら、後は、延命治療をするか、ホスピスのような形を選ぶか、飼い主の決断が必要になります。
この判断はとても悩みますが、何もしなければ直ぐに死ぬのでしょうか、いろいろな注射をしたり、手術をしたり、点滴をしたり、こうすることで3年とか5年は元気でいられるならともかく、精々3〜6ヶ月の延命なら、果たしてペットである猫たちはそれを望んでいるでしょうか・・・
決断する上で大切なことは、飼い主の「精一杯のことはした」と言う偽の愛護精神にとらわれないことです。猫のために何が良いのか、私が選択するなら、簡単な薬を貰う程度で、後はなるべく一緒に思いで作りをするでしょう・
伝染性の病気の場合、欧米のブリーダーは安楽死を選択することが多いようですが、日本では、死の間際まで治療する場合が多いようです。
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真菌などは菌が同じなので移ります。女性や赤ちゃんのほうが移りやすいようです。
しかし、人はお風呂には言ったり清潔を保つので、滅多に感染することは有りません。
また、水虫の人が飼っている猫が真菌になるのも、よほど不衛生な環境なのでしょう。
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猫ノミが人間に寄生して活動することはありませんが、人間の肌に飛び乗ったついでに、人の血を吸うことは多く見られます。やはり、女性や赤ちゃんのほうが移りやすいようで、膝下などに刺された跡が炎症しているケースも見かけます。
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8,
猫のノミを退治するのには? (ノミの生態、退治の方法)
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ファイザー株式会社・製造の首筋
レボリューション6は、首筋にたらすだけで、ノミ、耳ダニ、回虫、ダニなどが退治できます。
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9,
猫には、漢方薬や針治療など東洋医学は効くのですか?
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漢方薬は効き目がありますが、生薬の状態では飲ませるのは難しいようです。
針治療に関しては、日本でも取り入れているところがあるようですが、個人的な取り組みのようです。米国では組織として研究が進んでいると聞いています。
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糖尿病の場合、体内寄生虫など、体質的なものが考えられますが、原因をハッキリさせるために獣医さんで健康診断を受けてください。
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11,
猫はあまり水を飲まないと聞いたのですが、私の猫は一杯水を飲みますが?
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砂漠に生息する野生猫・リビアヤマネコをルーツに持つイエ猫は、あまり水を飲まなくても良い体質になっています。
もっとも、このため腎機能障害が起こりやすく、異常に水を飲む場合は、この腎機能の検査を受けてください。
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下痢が続いている場合、またはギョウチュウなどの寄生虫がいる場合が考えられますので、獣医さんで検査をしてください。
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Q1,
片睾丸のオス猫は去勢手術と同時に、体内に隠れている睾丸を取り出さないと、泌尿器系のガンになると聞きましたが?
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そのようなことをたびたび聞きますが、実際に片睾丸が原因でガンになった例は知りません。
心配の種を除くためにも、去勢と同時に中の睾丸も取り出すのが良いでしょう。
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13,
太りすぎてるから成人病になると言われましたが?
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人も猫も飽食のようで、栄養過多から太りすぎの猫も多いようです。
太りすぎの猫は、人と同様に糖尿病や心臓疾患など、成人病にも掛かりやすくなります。
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14,
おしりに米粒みたいなものが付いていましたが?
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これは条虫(サナダ虫)ですね。
排便して直ぐに見てみると、便の表面で延びたり縮んだりしている乳白色の虫の一片を見つけるでしょう。また、体の毛を分けると、ノミが動くのが分かるでしょう。
レボリューション6を使って、まずはノミ退治をしてください。
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猫の中には、耳の中がウエットタイプで湿っている場合(少数)もあって汚れやすいのですが、3日して黒くなるのは耳ダニの原因が考えられます。
レボリューション6を使用してください。
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背中の骨がゴツゴツしている場合は要注意です
単なる食べ過ぎ、回虫などの寄生虫がいる、栄養失調、伝染病などが考えられますが、何はともあれ、げんいんを調べるため獣医さんの検診を受けてください。
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1歳までの子猫は朝晩の2回、成猫になったら1日1回でも大丈夫です。
エッ、我が家では大抵がドライフードを出したままで猫任せです。
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18,
食餌を変えるとすぐに下痢をしますが? (新しい食事に切り替える方法)
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基本的に猫のエサは同じ物を与えるのが良いのです。
エサを替えたいときは、思い切ってお腹をすかせるか、元のエサに20〜30%新しいエサを混ぜて、それを少しずつ増やしていくのが良いでしょう。
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優秀な獣医さんを選ぶのは、簡単なようで難しい。
※ベテランのブリーダーに聞けば、大抵は良い獣医さんと懇意にしていると思います。
※便利さから言えば近所であること、無理を聞いてくれること
※明朗会計で前もって予算などを知らせてくれる。
※検査もしないのに大病であるようなことを言わない。
※同じ治療なら安価が助かるし、お互いに気性が合うことも大切。
※患者であるこちらも、獣医さんを信頼する態度が大切ですよ。
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20,
人や犬には生理がありますが猫には無いのですか?
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人や犬は定期的に排卵するので、古くなった卵子を体外に排泄するのが生理による出血です。
猫は卵子が熟成するとシーズン(発情)になり、交尾による刺激で排卵
をします。このため卵子を排泄する必要が無いので排卵による生理は有りません。
もし、猫にわずかな出血でも見られたら、急ぎ獣医さんに検診してもらってください。(膿のような下り物も危険信号です)
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新しい飼い主の下に行った子猫が、10日もしないのに不治の伝染病であると診断されることは、大きなトラブルになり悲しいことでもあります。この原因の多くが、生後2ヶ月前後の赤ちゃん猫のトレードによるものです。
この危険を最少に押さえるには、親猫の血液検査、ワクチンの接種、清潔な環境が大切です。しかし、赤ちゃん猫を平気で新しい飼い主に渡す人に多くは望めないのが現実です。
新しい飼い主は、自分が子猫を選ぶのですから、今の可愛さと同時に、これから10年以上生きる健康についても考えてください。
子猫の譲渡は、生後3ヶ月を越えて、ワクチン接種も2回済んでいれば、ある程度の健康が保証されているので、危険度は極端に少なくなります。