◆猫のトレーニング方法   by Miki Sakaguchi

  猫をトレーニングすることに関しては、いろいろな意見があるかも知れません。人々の概念には「猫は自然の動物である」ことがその根拠になっているようです。
  しかし、これは、猫が持っているの本能とか習性を利用したトリックを確実にするだけのことです。

  猫が人の要求に忠実に答えることの意外性を発見するのに過ぎません。
(例えば、競走馬を真直ぐ走らせるのにはハミを噛せることから始めて、かなりの調教が必要です。また、犬をトレーニングさせるときも、目的に従ってかなりハードにレッスンしますが、犬はトレーニングすることが当然のことで、猫はダメとする根拠はどこにも見当たりません)

  猫のトレーニングは、その習性、行動の特徴(遊び方)を観察して、楽しい部分を確実に繰り返して実行するようにレッスンするのですから、猫も人も、忍耐強く、レッスンを楽しまなければいけません。
 決して、出来ないことを無理にさせようとしたり、叱ることは、猫のレッスンには何の効果ももたらさないのです。
                    
 
この記述は、現実に猫をトレーニングすることが目的ではありません。トレーニングを通じて、猫の習性とかしつけをより正しく理解していただけたらと考えております。 

                         参考・ラスベガス・猫サーカス・ビデオ
 
 
  ■■猫のトレーニング方法■■ ■by Miki■

トレーニングの可能性にチャレンジする。
 a,人と同じことをやって成功するのは、千人に1人でしかない。
   (運、暇、根性、環境が揃わないと、結果的に挫折する。)

b,犬、オットセイ、チンパンジーなどがトレーニング(芸)をするの
   は当然のように思われています。すなわち、苦労の割りに認められない。
   (常識を超えた天才的なトレーニングが必要)

 c,猫、うさぎ、豚、モルモットの習性を生かしてトレーニング
   することができれば? (動物愛護の精神に欠けているかな・・)

  「猫の行動学、正しい飼育管理の方法、手入れ方法を学ぶ」

a,猫を好きであること。

b,猫に関してのあらゆる知識を学ぶことが、全てのトレーニングの基本になります。

c,本を読み、先人から学ぶことは、知識の吸収の早道ですが、それは一つの目安であり、自分自身と猫との関わりは、人間の個性のように様々ですから『猫のことは猫に学ぶ』ことが不可欠のようです。

d,猫では分からない部分を、他の動物学を応用することで解決することは多いのです。 

 性格の良い子猫を選択する。 
  (トレーニングに向いた固体を選択する)

e,生後2〜4か月までの健康な子猫。

f,両親を観察する。(特に母猫の性格)

g,一胎子(3〜6匹)の中から、リーダーの子猫を選択する。

h,物おじしない明るい性格の子猫(シャイではない)

  「性格の判断の方法」
  
◎手をたたいて反応を見る。 

◎音のする物(鍵束など)を落として様子を観察。

i,遊び道具(棒の先に蝶々の形の紙屑を付ける)に夢中になる子猫を選択する。

j,面白い個性を持つ子猫を判断する。
   (それが他人から見ると芸に見える場合が多いようです?)
 
  ■◇■猫のトレーニング方法(実際での方法)■◇■

 ■猫の行動を観察して、その中から特長ある個性を発見する。 例・足くぐり(人が歩く歩調に合わせて、猫がS字に又くぐりをする)

◎猫は一般に、甘えたり食事をねだるときに人の足首に頭や胴体をこすり付ける仕草を見せる。

◎食事をねだって擦り寄る仕草を見せたら、ゆっくり適当な歩幅で歩きながら、手におもちゃを持って、又の下で猫を左右に動かす。

◎食事の前の10〜15分の短時間に、1回に5〜6回の同じトレーニングを繰り返す。        
 ポイント:1日1回の決めた時間にトレーニングする。
 ポイント:覚えるまで、一つのことだけを教える。
 ポイント:褒めることを忘れない。(トレーニングの後は、好物を与える)

  猫が綱渡りをしたり、両ひじで綱を渡る(中国雑技団)のは、トレーニングの前に、それをする猫を選び、それがいつでも確実に出来るようにトレーニングするのです。
 ポイント:猫の日常の動作の観察が大切。

   猫の動作を芸として見せるのは、◎話術。◎手品。◎パントマイム。◎ピエロ。など、本当は人の芸なのです。

ポイント:猫をトレーニングすると同時に、自分自身のトレーニングをしなければならない。
               

  ■まとめ(猫のトレーニングの基本)

a,優しさと忍耐が猫のトレーニングを成功させるポイントになる。

b,1匹の猫には2〜3個のトリックをマスターさせる。
   (複数の芸は複数の猫で組み合わせる) 

c,常に同じ状態、同じ順番(出来るだけ同じ時間帯)で、芸をトレーニングする。

d,芸が完成するまで、リハーサル中に猫の気持ちを乱さないようにする。

e,正しく出来たときは、褒めることを忘れない。

f,叱ったり、乱暴な行動は、猫の感情を害し、人とのコミュニケーション(信頼)を害します。 

g,猫にとって、刺激的な興味を覚えるのは、あくまでも、棒の先に付いた蝶々なのです。

 

  ◎『障害物の飛び越え』
 
a,3つの障害を準備(膝の高さの衝立)60cm〜90cmの間隔で置く。

b,最初は1つの障害物でトレーニングする。
(この時に蝶々の付いた棒で、手前から反対方向に動かして飛ぶことを教える)

c,猫は蝶々を捕ろうと後ろ足で立ち上がるので、この瞬間に「ジャンプ」と大声を発する。
  (命令を覚えさせるためにタイミング良く声を出す。蝶々の棒は決して下げないで遠ざける) 

d,猫がジャンプに成功したら、必ず褒めてあげることが大切。

e,1つの障害飛びが確実になったら、2つ並べる。そして3つに増やす。(焦らずに、1つずつを確実にできるようにする。)
 

 『障害物のくぐり抜け』

 a,飛び越えないで、障害の下を潜ること場合もあります。
  ◎このときは、それを応用することを考えましょう。

b,『障害物の飛び越え』(前回の4号参照)と併用する。
   (行きは飛ばして、帰りはくぐり抜ける)

c,この場合はゼンマイ仕掛けのネズミ(長毛の猫はゼンマイが毛に絡まないように注意)を障害の下で動かして、猫がどのような仕草をするのか観察する。

 d,1回のレッスンで5〜6回繰り返し、1日、2レッスン。
   (猫がこのレッスンになれたら、障害の間隔を広げる。)

 e,猫が障害の脇を回るようなら、正しい方向に導く。
(初めはネズミを近付けて、慣れたらネズミを動かさないで、一番最後の障害の先に置く)

 
  『高い台への飛び移りジャンプ』

a,2つの台座を用意する。(無い場合は椅子でも良い)
  (注意・ぐらつかないこと、台の表面が滑らないことを確認)
 もし、台がぐらついたり、滑ったりすると、猫は不安な状況を覚えているからこのレッスンは6週間待たなければいけない。

b,最初は同じ高さの台座でレッスンする。(高さは重要)

c,最初は1フィートの間隔でレッスン
  (前で述べた蝶々の棒に注意を引くこと)

d,蝶々を狙ったら、もう一方の椅子の方に蝶々を動かす。

e,このとき、「ジャンプ」と声をかけて、成功したら褒めること。

f,猫が自信を持って確実に飛ぶようになったら、台座の間隔を広げる。

g,1日、2〜3回を6〜8レッスン。

h,上手に行かないときは、台座の幅を狭めたり、忍耐強く繰り返す。

i,猫がジャンプになれたら、50cm〜60cm程度の輪を持ち出して、猫が飛ぶ高さに備える。
                  

 
 
 『肩乗り・ジャンプ』

◆ジャンプになれたら、次は自分の肩に飛び乗るようにレッスンしましょう。

a,猫が蝶々を追い掛けて、歩いたり、ジャンプしたときは褒めることを忘れないこと。誉めることがポイントです。

b,先ずは、椅子に座らせます。(蝶々の棒で指示をする)

c,ほぼ30cmの間隔で、背中を見せて、乗せたい肩に蝶々を動かして教えます。

d,猫が肩に乗ったら、すかさず褒めて、ゆっくり立ち上がって静かに一歩一歩部屋を歩きます。(これは、猫に新しい位置を教えることと、危険ではないことを知らせます)

e,常に、声を出して静かに話しかけるように褒めて下さい。

f,1日1レッスン、5〜6回繰り返します。

g,おそらく、初めはジャンプをしないで、前足を背中に掛けて、それから後ろ足を掛けるようですが、2〜3日後には飛び始めます。(爪を完全に切っては失敗します。ちょっと厚着で防御を)

h,ジャンプに慣れたら、少しずつ椅子と肩の間隔を広げます。

★猫にこんなことさせるなんてとお叱りも有りますが、あまり難しく考えないでチャレンジしてください。1つでも何か技を持てば、あなたと猫ちゃんは二人三脚、ますます仲良くなれるでしょう。

  (大人になった猫ちゃんは、ちょっと無理ですよ)

       読んでいただいてありがとうございました。
                以上で終わり・・・・