黒ちゃんはすぐ本に返ったので、俺は当たり前のような顔してござの端っこにうずくまって休むことにした。

 すぐに眠たくなった。夢を見ていた。

 アイルランドの海の住人、酒好きのメロウが現れて、なぜか日本酒を酌み交わす。メロウのかぶっている赤いトンガリ帽子は魔法の帽子で、この帽子をかぶっていると矢を射るよりも早く水の中を自由に行き来できるんだって威張っている。

  女性のメロウは美人だと聞いたことがあるけれど、男のメロウは鼻が高くて不気味な顔つきなんだ。

 さて、・・・俺の冒険はここで終わるはずだったのに、この居眠りのおかげでとんでもない方向に発展するとは・・・次号へ