第9章 猫のことわざ、言い伝え、本当ですか?
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猫が顔を洗うと雨が降ると言われますが、
猫には天気がわかるのですか?(第2章の30)
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猫が顔を洗う仕草をするのはエサの後などが多いようです。それは顔についたものをきれいにしているのでしょう。
その他では、猫は湿度や気圧の変化に対して敏感だといわれていますので、お天気の変化に対しても何らかの影響があるのかもしれません。
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猫は子猫を産むと片時も側から離れずに育児をします。子猫が親猫にじゃれているのを見ても、好き勝手にじゃれているので、そんな様子から使われた言葉でしょう。
また、古今東西、猫を好きな人は何が何でも自分の猫が一番と思うところがあり、少々のいたずらでは叱られることも無く「可哀想に」などとかばうほどで、猫自慢を聞いていると切りがありません。これが猫可愛がりですね。
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その昔は狸とも記されましたが、諸説は数多く、「良く寝る子でネコ」、「獣変に苗は、田んぼを荒らすネズミを退治ることから猫」
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4,
夜になるとノラ猫が集会をすると聞きますが、何をしてるの?
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定期的にエサを配られる場所では、エサの到着を待っています。
また、避妊去勢がされていない猫たちは、メスの周りにオスが集まり、さらに、その周りにメスが集まり集会のように見えます。
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5,
「猫はこたつで丸くなる」と歌われますが、猫はなぜ寒がりですか?
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猫のルーツはアフリカなどの熱帯、東南アジアの亜熱帯で、温かい地域なので寒いのは苦手のようです。
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「犬は三日の恩を三年忘れず、猫は三年の恩を三日で忘れる」とのことわざもあるりますが、猫は人に対しての依頼心が少なく、今をどう生きるかが問題で、多くの猫たちが与えられた環境に順応します。
火事や毒蛇から主人を守った逸話は聞きますが、実際には、猫の恩返しを求めても無駄なようです。
しかし、猫が側にいるだけで得られる精神面での幸せは何にも変えがたい喜びを与えてくれますね。
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7,
「犬は人につき、猫は家につく」と言われますが?(ことわざ)
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犬は人に飼われて慣れ親しんできたので、人への依頼度が高く、引越しでも素直についていきます。
猫も普段は飼い主になつくのですが、その時、その場面の状況次第で、自分のことは自分で守ろうとします。引越しなどで騒がしかったりすると逃げ出したりします。
すなわち、猫は知らない場所を冒険するよりも自分の生活の場所が安全なことが第一のようです。
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金目銀目の猫は一方はブルー(銀目)と一方のゴールド(金目)、目の色は濃く深い色い色が望ましく、オッドアイと呼ばれます。
ブルーの目色の濃淡は同じブルーですが、一方のゴールドは濃淡によって、色の名称も変化します。カッパー → ゴールド → へーゼル と淡くなります。
難しく言うとへーゼルはちょっと薄黄緑色です。
天使の目の色とも言われ、幸せ招くと言い伝えられています。
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9,
オスの三毛猫は船の守りになると言われますが?
(南極船・宗谷丸に乗せられた三毛、日本猫と言い伝え)
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長い航海をする船には、食料を貯える船倉があって、ネズミがつきものです。昔は、その被害を防ぐために猫が大切な役割をしていました。
この外見がオスの三毛猫は生殖能力が無いために、オス独特の強い臭気のするスプレイ(かけしょん)をしません。もちろん、さかりも来ないのでうるさい鳴き方もしません。それらの条件が船の中では重宝がられ、「オスの三毛猫は荒波を静める」との言い伝えになったようです。
また、1956年に船出した第一次南極観測船「宗谷」に、航海の無事を願って寄贈された「オス三毛のタケシ」(観測隊隊長の南部武さんの名前を拝借したようです)が乗っていたのは有名な話しです。
■ご存じのように三毛猫にはオスが極めて少ないのですが、遺伝のいたずらでXXY型のオス猫(正常なオスはXY型、メスはXX型)が生まれることがあります。(混色の項を参照してください)
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これは避妊されない雌猫がオス猫を呼び寄せる声です。
冬場の寒鳴きと言って、ノラの雌猫は冬の12月〜2月に発情して、2ヶ月今日の妊娠期間を経て、暖かくなる前に出産し、暖かい時期での育児をします。
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「豪徳寺の招き猫」 江年時代の大名、井伊直孝が豪徳寺(弘徳寺)に差し掛かった折に、お寺で飼われていた猫が手招きするので寺に入ると、空に閃光が走り大雨になった。
何を逃れた井伊直孝は荒れ寺だった弘徳寺に寄進して、井伊家の菩提寺として、その死後、戒名から二文字とって豪徳寺と改められ、招き猫の寺として栄えた。
「今戸の招き猫」 江戸の中期の春、浅草川戸に住んでいた1人の老婆が、貧困のため長年飼っていた愛猫を手放したところ、その猫が夢に出てきて「私の形のお人形を造って祭れば、福徳自在になるでしょう」と言った。
そこで、今戸焼(素焼きの土器)で猫の形を作り祭ったところ、金銀のそえものがあり、後には、浅草寺にもお店を出すほど繁盛した。
参考文献 動物文学会「猫の歴史と奇話」平岩米吉
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猫歴30余年のボクの感じるところではその通りだと思います。顔も似れば、性格が寄り猫らしくなるようですね。
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こちらを(猫に例える歴史上の人物)
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14a,
ネコ、トコ、へコという言葉を聞いたのですが、その意味は??
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動物文学会「猫の歴史と奇話」平岩米吉著の中に
「好んで捕らえる獲物によって猫を区別する名称は、鼠を捕るのが「ネコ」、鳥を捕るのが「トコ」、蛇を捕るのが「へコ」と言われている。 との記載があります。
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16,
人の身体に使われる「猫足、猫毛、猫舌、猫背、猫額、猫面」について
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※猫足(ねこあし) 内側に湾曲した足の形(イタリア家具のテーブルの足)
※猫毛(ねこけ) 柔らかで張りの無い毛髪。
※猫舌(ねこじた) 熱い飲み物や熱い食べ物が苦手なこと。
※猫背(ねこぜ) 丸まった背中。
※猫額(ねこびたい)
狭い額を指す。 (猫の額:土地や庭などが狭いときの例え)
※猫目(ねこめ) 一般的につりあがった切れ長の女性の目を言う。
※猫面(ねこおもて、ねこづら)
ちょっと寸詰まりな顔つき(反対に長い顔は馬面)