また今日も晴れ。

 二匹のキアゲハがワルツを踊るように上になったり下になったり、楽しそうに飛んでいるから、ちょいと追い掛けると、空高く舞い上がって消えた。

  ミツ蜂が飛んできて、クローバーの白い花の蜜をせっせと集めている。茶虎バッパもだいぶ元気になった。

 
アルが随分悲しそうな顔をして、防虫網に鼻を押し付けながら俺の日向ぼっこを見つめている。 

 俺はどこにでも出入り自由だが、アルはいつもベッドルームにいることが多く、最近は二匹で遊ぶこともなくなった。

 ・・・だいぶ前に、アルは籐のキャリーバックに入れられて、どこかに出かけたことがある。三日後に帰ってきたら、何だか疲れ果てたようすでぐっすり眠りこけていた。

 それから五十日くらいたって、「どうしたのアル姫様、何だか、ずいぶんふっくらして色っぽくなったね」と、つい軽口を聞いたけどアルは何も言わなかった。


 実際、アルの身体が一回り大きくなって、オッパイまでプルンとして急に大人になったように見えた。

  まあ関係ないか………、それから半月ほどたった昨日の明け方、アルが三匹の赤ちゃんを生んだことを知った。

 
次のページへ