フランス山のてっぺんの展望台は、いつも強い風が吹き抜けているが、見晴らしが良くて、海に突き出た大きな桟橋、向こうの陸地には煙突なんかも見えるけれど、一番威張っているのは水平線の入道雲だ。

  おっと、のんびりしているとうとうと寝てしまう。急ぎ足で石段を下がる。



phot by K.Yamamoto

 
雑草と潅木の茂った道脇に金色のナガコガネグモがいたるところに網を張っている。

  崖になった林には、逃げ出したペットが結構自由に生活をしている。以前にも、アライグマが、冬を越えてとぼけ面で出てきたときは、新聞ダネに成るほど大騒ぎになった。

  薮に入れば、シマヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシだのカナチョロもいるが、俺はちっとも怖く無い。

 
まだ見たことはないのだが、たぶの大木にはムササビが住みついて、夜中になると空中を飛ぶらしい。一度はお目にかかりたいものだ。

  ここには鳥たちも多く、グリーンバードやカナリヤなんかも住みついて、オナガやムクドリはいつでも見られる。シジュウカラの群れにはゴジュウカラやキバシリも混じって、やけに騒がしく鳴いている。

 ねむの木の手の届かないところで、ミンミンゼミがミィーン ミン と鳴けば、アブラゼミもジィージィッと合唱する。もっとも俺はセミなんかに構っている暇は無い。

 
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